男性更年期外来(保険適用) |
*ガイドラインに従い、保険適用で男性ホルモン投与するのは当院では40歳以上とさせていただきます。保険診療において、男性ホルモン投与の明確な年齢の上限が定められていませんが、当院では原則68歳までの対応とさせていただきます。
女性だけでなく、男性にも更年期があります。男性更年期は、加齢男性性線機能低下症late-onset hypogonadism(LOH症候群)と呼ばれています。
男性ホルモン(テストステロン)が減じてくると、
疲労感が続く
憂うつな気分
自分の輝かしい時期が過ぎ去った
力尽きた感がする
関節や筋肉がなんとなく痛い
暑くもないのに発汗する
よく眠れない
日中に眠い
なぜかイライラする
性的な力が落ちた
朝勃ちしなくなった
様々なことにナーバスになる
筋力が低下
ヒゲの伸びが遅い
といった諸症状がみられるようになります。
初診時には、問診、前立腺を中心とした超音波検査、テストステロン値の血液検査(3割負担の方で3,300円程度、初再診料は別途)を行います。
その結果を踏まえて、男性ホルモン注射(3割負担で1A300円が目安)を行います。
また、希望の方には身体諸症状に応じて漢方薬の処方(3割負担で一月1000~1500円ほど)も行っております。
男性ホルモンは、60歳代より40、50歳代の方が低値である場合もあります。仕事などのストレスが強くかかる中高年に、男性更年期障害が生じやすくなると考えられます。
当院では、年齢(40歳以上~68歳まで)および症状所見により、男性ホルモン(テストステロン)採血検査および男性ホルモン注射の補充投与は保険適応で行っています。男性ホルモンの投与は、1Aであれば1週間間隔、2Aの場合は2週間間隔、一月にトータル4~5Aまでを保険適用の限度とされます。なお、睡眠時無呼吸症候群や重度の前立腺肥大のある方もしくはその疑いのある方、前立腺の手術の既往歴がある方は、当院では、男性ホルモン投与はできかねますので、高次医療機関や泌尿器科専門医に紹介になります。また、男性ホルモン投与基準として、PSA2.0未満であることが条件であり、PSAが基準値以上で男性ホルモン投与希望の方は、泌尿器科専門医を紹介させていただきます。
男性ホルモンデポーには、前立腺肥大や前立腺がんの悪化のリスクがあります。前立腺癌の早期発見になる血液検査PSA検診は、男性ホルモン投与期間中は定期的に測定することが必要です。
男性ホルモンデポーは、男性不妊で精子減少症の治療薬として保険適用もされていますが、精子産生をいったん抑え込んで、リバウンドで精子産生を促すものとされてます。リバウンドがうまくいかないこともあります。当院では、男性不妊の方に、男性ホルモン補充療法は行っていません。これから子づくりがあるという方は、精液検査(男性不妊として3割負担で1,000円程度)も受けてください。
AGAの薬である、フィナステリドやデュタステリド(ザガーロ)は、前立腺がん検査で測定されるPSA値を約50%低下させることが知られています。内服中の方は、測定したPSA値を2倍した値を目安として評価してください。
当院では、ED外来も行っています。併せて、ご利用ください。
また、超音波検査で骨密度測定も行っています。気になる方は、一度検査を受けてみてください。
*お問い合わせが時々ありますが、当院は男性更年期やGIDの方に対してホルモン治療を行っています。スポーツ競技やボディービルなどのため、筋力アップを第一目的としての男性ホルモン投与は行っていません。筋力アップを第一目的としての男性ホルモン投与希望の方は、スポーツ外来やアスリート外来を行っている病院などにご相談ください。
*血中テストステロン値が正常である場合は、当院は、自費扱いで希望されても、男性ホルモン投与は行っていません。
*睡眠時無呼吸症候群がある方は、学会指針により男性ホルモンの投与は禁忌とされております。睡眠時無呼吸症候群が軽度の方でも、またCPAP等にて管理良好な方に関しても、当院では男性ホルモンの測定検査のみであればは可能ですが、男性ホルモンの投与はできませんので予めご了承下さい。また、心疾患で血液をサラサラにする薬を内服中の方は、循環器の主治医の先生から、男性ホルモン投与してもかまわないという書面での紹介状が必要です。
*20、30歳代の方から相談を受ける場合がありますが、通常は20~30歳代男性で、加齢による男性更年期としての当院での保険適用は難しいです。
*活力を取り戻すカウンセリングを希望とお問い合わせいただくことがありますが、当院ではテストステロンが低下し、男性更年期症状に対してホルモン補充療法等の治療を行っています。一般的な相談は承りますが、活力を取り戻す専門カウンセリング等は行っていませんので、よろしくお願いいたします。