ピル外来 | |
最近片頭痛持ちの方で低用量ピル希望で当院を受診されることが多くなっています。
当院では、片頭痛のある方には、ジエノゲスト以外のピルは原則として処方していません。
また、前兆のある片頭痛であったり、前兆がなくとも今までピルは飲んだことがなく初めて内服する場合や、血栓症の既往歴のある場合は、ジエノゲストであっても脳神経科、救急科、循環器科等が併設されている病院での処方をおすすめします。
SLEや自己免疫疾患のある方も、当院ではジエノゲスト以外のピルは原則として処方していません。初めて内服する場合は、ジエノゲストであってもリウマチ科、救急科等が併設されている病院での処方をおすすめします。
【初めてピルを内服される方に、簡単にまとめます】
ピルには大きく分けて、A.避妊目的の自費のピルとB.生理痛を治す保険適用のピルがあります。
避妊も生理痛改善もどちらも希望の場合には、A.避妊目的の自費のピルの選択になります。
B.生理痛を治す保険適用のピルは、生理痛改善目的に保険適用されるピルであり、避妊目的用ではありませんので、避妊目的もあわせて重視するのであればA.避妊目的の自費のピルの選択をされた方が無難です。ピル外来では、18歳未満の初診の方は、保護者同伴でお願いします。当院では高校生の方には、原則として保険適用薬のみの処方です。
A.避妊目的のピル
マーベロン(ジェネリック希望ならファボワール)がファーストチョイスです
お値段は、自費なので病院によって違います。当院では、処方の際には、Dダイマー検査(採血検査)(3,300円税込)が必須です。この検査は、他院から自費ピル継続の場合は当院初診時、当院で自費ピル開始の場合は当院再診時に行います。40歳以降で避妊ピルを初めて開始する方は、ミレーナをご検討下さい。
<費用例>
他院から継続してファボワール処方の当院初診の場合
初診料 2,200円税込(再診料は550円税込)
Dダイマー採血検査 3,300円税込
ファボワール1月分 2,000円税込
合計 7,500円税込
*Dダイマー採血検査は通常約15~20分ほどで結果が出ます。保険適用ピルの場合は半年おき、自費のピルの場合は一年に一度は行っています。症状がある場合は、随時行います。
*生理痛緩和目的の保険適用ピルは、初診料検査料も全て保険適用になります。
B.生理痛改善ピルは、次の4パターンになります。
いずれも保険適用なのでどこの病院でも費用は同じです。検査も保険適用です。初回投与時には、お腹の上からでもよいので超音波検査(3割負担で約1,600円)を行います。
(他院からの継続の場合も当院初診時には超音波検査を受けていただきます)
また、他院からの継続処方の際には当院の初診時、当院で初めて保険のピルを開始する場合は再診時に、血栓症の検査である採血検査:Dダイマー検査(3割負担で約910円)を受けていただきます。(ジエノゲストの継続は通常Ⅾダイマー検査は行っていません。)
1、お値段重視の場合 フリウエル ULD
2、ニキビの副次的効果を期待したい場合 ドロエチ配合錠(ヤーズのジェネリック)
3、連続で飲んであまり生理こないようにしたい場合 ジェミーナ
4、タバコを吸うので血栓症のリスクが低いものを希望の場合 ジエノゲスト0.5
初めての方は、どのピルを希望するか、あらかじめ考えてから受診してもらえると、スムーズですので、どうぞよろしくお願いします。
保険診療では、他院からの継続であっても当院初診時は1月分のみの保険適用です。ジエノゲストを除くピルには血栓症のリスクがあるので、ピル開始後3月間は、1月分ずつの処方を推奨とアナウンスされました。 ジエノゲストは初診初回処方の翌月以降から、ジエノゲスト以外のピルは初回処方の3月後から、最大で3月分まで処方可能です。
コントロールできていない高血圧の方、片頭痛の方、35歳以上で1日15本以上の喫煙者の方は、ピルの内服は禁止されています。ジエノゲスト0.5は、生理を止めてしまう傾向になりますが、血栓症のリスクがあまりないので、喫煙者でも比較的安全に内服ができます。喫煙者や40歳以上で避妊効果も意識しておられる方は、ミレーナをすすめます。
【保険治療薬3割負担の1月分薬剤費のおおよその目安】
*保険診療では、保険の処方料&薬剤情報&後発品使用体制料があわせて3割負担で約200円別途、及び保険の初再診料(約390~1030円)、保険の外来管理加算料(約160円)は別途かかります。初診では、お腹の上からでもよいので超音波検査(3割負担で約1,600円)代がかかります。
いずれも保険適用なのでどこの病院でもお薬や検査の費用は同じです。
下記は薬剤費のみの1月分1シートでの3割負担での目安です。
フリウエルULD 440円
フリウエルLD 440円
ドロエチ配合錠(ヤーズのジェネリック医薬品)760円
ヤーズフレックス 2,350円
ジェミーナ 21日分1,760円 28日分2,350円
ジエノゲスト1.0mg 1,010円
ジエノゲスト0.5mg(ディナゲスト0.5mgのジェネリック医薬品)760円
フリウェルLDは、21日内服7日休薬するlow dose(低用量)ピルです。生理痛(月経困難症)の改善保険治療薬として厚労省承認されています。
フルウエルULDは、21日内服7日休薬するultra low dose(超低用量)ピルです。生理痛の改善保険治療薬として厚労省承認されています。含まれる女性ホルモンの量をLDよりさらに少なくしており、副反応がなるべく出ないようにしてあります。
ドロエチ配合錠(ヤーズのジェネリック)は、24日内服して4日間休薬する超低用量ピルです。生理痛の改善保険治療薬として厚労省承認されています。副次的効果としてピルの中では、ニキビや月経前症候群(PMS)、月経前気分不快障害(PMDD)に最も効果的とされています。
ヤーズフレックスは、ドロエチ(ヤーズ)と同成分のピルをを連続内服するタイプです。月経困難症、子宮内膜症に伴う痛みに保険適用されます。最長120日連続内服可能です。内服開始25日以降に3日間性器出血があれば、4日間休薬します。飲み方が違うだけで、成分はヤーズと同じなので、副次的効果としてピルの中では、ニキビやPMS、PMDDに効果的とされています。最長120日生理がこないので、生理が毎月ない方がいいという方に向いています。慣れてくると、旅行前に休薬して、旅行と被らないようにすることもされておられる方がいます。
ジェミーナ配合錠は、月経困難症治療薬として厚労省承認された超低用量ピルです。21日内服7日休薬する一月周期投与または77日連続内服して7日休薬の3月周期投与が可能です。ヤーズフレックスでは、3日出血あれば4日休薬になりますが、それがしばしばあり、またいつそうなるかわからないという方には、ジェミーナ連続投与の方が不正出血により休薬になることがあまりないのでベターかと思われます。ジエノゲスト1.0mgは、子宮内膜症治療薬として保険適用されます。月経周期2~5日目から連続内服します。月経は減っていく方向になります。月経を止めてしまう方向になります。黄体ホルモンのみ配合されており、血栓症のリスクは、あまり心配ないお薬です。子宮内膜症で卵巣チョコレート嚢腫は悪性変化が報告されています。卵巣チョコレート嚢腫のある方は、超音波検査(内診に抵抗ある方はお腹の上から行う経腹エコーでも可)も定期的に受けてください。
ジエノゲスト0.5mg(ディナゲスト錠0.5mgのジェネリック)は、黄体ホルモンのみ配合され、月経困難症の治療薬として厚労省承認されています。成分的にはジエノゲスト1.0mgと同じと考えてもらってよいですが、含まれる黄体ホルモンの量がジエノゲスト1.0mgの半分です。月経周期2~5日目から連続内服します。月経は減っていく方向になります。月経を止めてしまう方向になります。血栓症のリスクは、あまり心配ないお薬です。ヤーズなどで、Dダイマーが上がってきて、血栓症のリスクにて中止になった方で、やはり生理痛がきついので、ピルを飲みたいという方や、タバコを吸う方、または40歳以上なので血栓症が心配である方に適しています。
ピルの重篤な副反応として血栓症があります。血栓症は、本邦でも亡くなった方も報告されており、非常に怖い病気で、ピル内服時には注意が必要です。喫煙される方は、血栓症のリスクが格段に増します。とくに、35歳以上で1日15本以上おタバコ吸われる方は、厚生労働省からジエノゲストを除く低容量ピル内服は禁止とされています。タバコをたくさん吸うけど、生理痛がきついのでピルを飲みたいという方は、黄体ホルモンのみ配合のジエノゲスト0.5mg(ディナゲスト錠0.5mgのジェネリック)を選択してください。
保険のピル内服中の方は、Dダイマーという、血栓症の血液検査を必要に応じて受けていただいております。院内で検査しておりますので、検査が重ならなければ約20分ほどで検査結果が出ます。(保険外自費薬内服の場合では、なんらかの症状がある時は保険適応にて検査を行います。)(自費での検査料はDダイマー検査料3,300円税込、初再診料別途がかかります。)
また、適時あわせて血栓症を診るため超音波検査を行います。
令和2年4月から、子宮筋腫や子宮内膜症などでの器質性月経困難症に対するホルモン剤治療には、3ケ月に一度婦人科特定疾患治療管理料(3割で約750円)が算定となります。当院では、保険治療薬処方の初診時には、エコー検査(3割で1,600円ほど)を受けていただきます。内診や経腟エコーに抵抗がある方は、おなかの上からの経腹エコーでも構いません。
保険診療では、他院からの継続であっても当院初診時は1月分のみの保険適用です。自己での服薬管理が可能で、血栓症などの副反応が出た際は直ちに医療機関での受診が必要であることをご理解いただき、出張や海外旅行、帰省その他の理由で毎月の受診が難しい場合は初診初回処方の翌月以降から最大で3月分までを1回の処方限度です。なお、一度処方したものは、返品交換できません。保険のピルの種類を変更した場合は、原則再診でも1シートのみの保険適用です。なお、保険にて処方したピルを紛失された場合は、補充分は自費になります(3割負担の場合は自費は保険の約3.3倍の費用がかかります)。また、初回処方(薬剤変更した場合を含む)した月では、再診でも1シートのみしか処方できません。
【自費の避妊薬として厚労省認可されている自費ピルは下記4種類 マーベロン、ファボワール、ラベルフィーユ、アンジュを取扱いしております】
自費のピルの処方には、薬剤費、検査代以外に自費初回診察料2,200円税込、自費再診察料550円税込が別途かかります。
他院からの自費のピル継続処方の際は、当院初診時に採血でのDダイマー検査(3,300円税込)を必須検査として行います。(保険のピルの場合は、Dダイマー検査も保険適用となり、3割負担の方で千円弱です。ジエノゲスト0.5、ジエノゲスト1.0 の処方の際は、Dダイマー検査は必須ではありません。)
Dダイマー検査は採血での検査で20分弱で検査結果が出ます。その検査結果が異常高値の場合や管理できていいない高血圧の方、偏頭痛のある方は、当院では自費ピルの処方ができません。
ご相談のみや、お薬の処方が伴わない場合でも、医師が問診し説明を行った場合は初診料(自費のピルの場合は原則自費の初回診察料、保険のピルの場合は原則保険での初診料)を承ります。
マーベロン28 薬剤費2,500円(税込)
一相性ピル
ファボワール28 薬剤費2,000円(税込)
一相性ピル
(ファボワールはマーベロンのジェネリックです。)
ラベルフィーユ28 薬剤費2,000円(税込)
三相性ピル
(ラベルフィーユはトリキュラーのジェネリックです。)
アンジュ28 薬剤費2,500円(税込)
三相性ピル
(アンジュはトリキュラーと同等のピルです。)
*自費価格は予告なく変更する場合があります
自費のピルは、保険上の縛りがありませんが、初回は1シート、再診は原則3シートまでとさせていただいております。自費、保険のピルどちらも複数シート処方した場合の返品交換はできません。
フリウエルULD、フリウェルLD、ドロエチ配合錠、ジエノゲスト0.5mg、ジエノゲスト1.0mg、ヤーズフレックス、マーベロン、ファボワール、アンジュ、ラベルフィーユは院内処方でもお取り扱いしております。(全部一気に出てしまい、院内に在庫がない場合もあります。保険治療薬は院外処方でも可能です。)
また、ピルを内服される場合は、定期的に子宮がん検診を受けられことを是非おすすめします。 当院での取り扱いピルはすべて厚労省承認薬です。厚労省未承認の海外輸入ピル(セラゼッタ、ダイアンなど)は取り扱いがありません。なお、セラゼッタと同様に黄体ホルモンのみのピルとしては、ジエノゲスト0.5が保険適用薬として厚労省承認されましたので、避妊目的ではなく生理痛でセラゼッタを輸入されている方は、ジエノゲスト0.5に変えられることをおすすめします。また、避妊目的でピルを自己輸入されている方は、厚労省承認避妊ピルへの切り替えをご検討ください。
また、超音波検査で骨密度測定も行っています。気になる方は、一度検査を受けてみてください。